基礎講座

ADPCMとは、生楽器や人間の声など実際の音をデジタル化して記録する方式です。ADPCMファイルを使うことでリアルなドラム音を使ったり着ボイスを作ることが出来ます。

SMAF2演奏系では、まずI環境で使用する音色をリストアップし、パート0〜15にコマンドを記述していくのが基本でした。これと同じで、ADPCMファイルを再生するにはまずW環境で使う音色(waveといいます)をリストアップし、ADPCMトラックであるA環境にコマンドを記述していきます。

Wave定義
【タグ】W1〜8
【内容】waveID
【解説】使用するwaveを定義します。数字をWaveナンバーといいます。指定するwaveIDはADPCM音色集を参照してください。
【例】
W1[timpani]
W2[snare]

以下はA環境に記述するコマンドです。

発音
【記号】N,A-G#
【引数】音長式
【解説】音長式で記述した時間だけ発音します。省略時はLコマンドで設定した音長が適用されます。どのwaveで発音するかは事前にWコマンドを用いて設定して下さい。(A-G#は使えますが再生ピッチは変わりません。)
【例】下の例では「ダンダダダン!」と発音します。
W1[timpani]
A[N2N4N4N2]

休符指定
【記号】R
【引数】音長式
【解説】発音前の休符(Rest)を指定します。音長式を省略した場合はLコマンドで設定した音長が適用されます。使い方は演奏系と同様。

Waveナンバー設定
【記号】W
【引数】1〜8
【解説】発音させるwaveを設定します。引数にそのWaveナンバーを指定してください。初期値は1です。
【例】最初はtimpaniで「ダンダンダン!」と発音します。後はW2によって音色がsnareになって「タンタンタン!」と発音されます。

W1[timpani]
W2[snare]
A[NNNW2NNN]

ボリューム
【記号】V
【引数】(+-)0〜127
【解説】音量を設定します。パート内での強弱をつけるためのエクスプレッションが存在しないので,Vコマンドで強弱をつけてください。

音長指定
【記号】L
【引数】音長式
【解説】音階/休符指定の音長省略時に使う音長(Length)を設定します。初期値は4が設定されてます。使い方は演奏系と同様。

テンポ指定
【記号】T
【引数】60〜800
【解説】トラックのテンポ(Tempo)を変更します。使い方は演奏系と同様。

注意
I環境で音色定義すると1音色につき21バイト消費しますが、WAVEファイルは種類によってファイルサイズが異なる上、1waveにつき1kB弱消費してしまうので注意が必要です。もうひとつ注意すべき点があります。発音は発音時間が短いと再生できない場合があるということです。FM音色のようにリリースがないのも特徴です。残響音のある音色の発音時間を短くするとプツッと音が途中で途切れた感じになります。