初心者講座

SMML(MML for SMAF)は、MMLというコマンド列を使って着メロをオンラインで作成しちゃおうというものです!しかも、SMMLでは携帯の着メロ作成機能にはない高度な音楽表現ができます。例えば、ピッチベンドやADPCM、グラフィック、曲中での音量&テンポチェンジ、クレッシェンド、モジュレーション、オリジナル音色設定、自由音長…などなど、とにかくパソコンのシーケンサ以上の処理ができちゃいます。ぜひ活用してみてくださいね♪

では、SMMLの基本用語を説明していきます。

音階
ドレミファソラシド〜といった音を音階と呼びます。SMMLではド〜シをA〜Gのアルファベットで表現します。

A = ラ
B = シ
C = ド
D = レ
E = ミ
F = ファ
G = ソ

…となります。ちなみにシャープとフラットですが、フラットは使わないでシャープだけで記述します。ド#はC#と表現し、シ♭はラ#、つまりA#と考えてください。オクターブを変えるにはOコマンドを使います(各マニュアル参照)。この音階表現方法は重要なのでしっかり覚えててくださいね

コマンド名と引数
SMMLでは各命令(コマンド)を、

コマンド名+引数

という形で表現します。例えば、「テンポを120にしろ」といった命令をSMMLで記述すると

T120

となります。この場合、"T"がコマンド名で、"120"が引数になります。同じように「ドの音を4分音符ぶん鳴らせ」という命令は

C4

となります。"C"がコマンド名で"4"が引数ですね。でも、引数は一つとは限りません。複数、あるいは何もない場合もあります。引数が複数個ある場合は順に、カンマ "," で区切って指定します。

PC#,F,4

これは、ピッチベンドコマンドです。「音長は4分音符でド#からファへ滑らかに音程を変えろ」という命令です。コマンド名が "P" で、引数は "C#"、"F"、"4"ですね。簡単でしょ?

環境設定

例えば、曲のタイトル、各トラック設定など曲全体に関する設定は環境設定といい、「タグ+内容」の形で表現します。例えば、

ST[かえるの歌]

とすると、曲名が設定でき、再生中に「かえるの歌」と表示されます。

各パートの楽曲データもこの環境設定で行います。コマンドを

3[V40C4D4E4]

これは、「トラック3の内容は、音量40にして、4分音符でドレミと鳴らす」という具合です。

音長
SMMLで使える基本音長としては、

1 = 全音符
2 = 2分音符
4 = 4分音符
8 = 8分音符
16= 16分音符
32= 32分音符
64= 64分音符

があります。この数字の後に符点"."をつけることで音長は1.5倍されます。符点符点2分音符(2..)といった符点の重複表記もできるようになりました。重複回数は4回までです。

また、音長式記述により、微妙な音長を表現することもできます。

音長式
SMMLにはタイという概念がありません。中途半端な音長は、音長式により記述します。音長式とは、音長を[+-*/]の3つの演算子をを用いて計算式のように音長を指定する方式です。演算順序は数学と同じで、[+-]演算子は優先度が低く、[*/]演算子は高いです。

C4 4分音符
D4/3 4分音符÷3
G#1*4 全音符×4
C2+8 2分+8分音符
E4.. = E4+8+16
A1*3+2-16/3

最後の音長式は何を表しているか考えてみましょう。まず、1*3は全音符3つ分です。それに2分音符を足し、16分音符の3分の1の音長を引いています。これが、この音符の音長になるわけです。

以上をまとめると…

環境設定で曲全体の設定を行う
  ↓
内容部分に楽曲データ内容を記述する。
  ↓
楽曲データは複数の命令から成る。
  ↓
命令はコマンド+引数の形式で記述する。

という感じになります。これさえ理解すればOKです!各コマンド、環境設定はマニュアルを参照してください。

SMML分類
SMMLは、16和音機種向けに設計されたSMML2と、最新の40和音機種向けに設計されたSMML3に大きく分類され、さらに、演奏系、表示系、ADPCM系に小分類されます。

演奏系はいわゆる着メロのことで基本中の基本です。上の説明を読んでサンプルを見ながら作れば普通に作れるはずです。演奏系が慣れたら、ADPCM系を使ってみるといいでしょう。ADPCM系はカラメロや着ボイスに使われている技術です。リアルなドラム音色を使うことで着メロのクウォリティをぐっと高められます。そして、表示系はファイルを再生すると字を動かしたり、画像を表示させたりすることができる技術です。これもカラメロで使われている技術をケータイ用に応用しています。

そして、SMMLの最大のメリットはこの演奏系、ADPCM系、表示系を完全シンクロさせて使うことができるという点です。これは今のところPCでも不可能な技術なので、携帯クリエータにとっては大きな力になると思います!がんばってください!質問は質問掲示板にじゃんじゃんかいてってくださいね〜。