各パラメータの説明 各パラメータを説明する前にピアノの鍵盤を押した時を例にとって音の出力の仕方を見てみましょう。 縦軸: 音量レベル 横軸: 時間(早さ)まず、鍵盤を押す(キーオン)とアタックレート(AR)の早さでトータルレベル(TL)、つまり最大音量に達します。次に音量はディケイレート(DR)の早さでサスティーンレベル(SL)にまで下がり、鍵盤を放す(キーオフ)まで音は持続されます。キーオフになると今度はリリースレート(RR)の早さで音は次第に小さくなっていきます。 マルチプル エンベロープ サスティーン キースケールレート キースケールレベル トータルレベル アタックレート ディケイレート サスティーンレベル リリースレート ビブラート AM変調 アルゴリズム エフェクト周波数 フィードバック
マルチプル 倍音成分(音の中で高い周波数の成分)の度合いを設定します。トータルレベルとセットで音色に最も影響を与えるパラメータです。キャリアに対して設定するとオクターブの調整、モジュレータに対して設定すると音色の揺れ具合を調整できます。2の倍数ずつ上げると1オクターブずつ上がる、逆にいえば1/2倍すれば1オクターブ下がるので低い音にするには0.5を選択するといいでしょう。エンベロープ 音を出力する時、音を持続させる(のばす)か減衰させる(次第に小さく)かを選択します。上図でサスティーンレベルに達した後キーオフに至るまでの時間がないもの(いきなりリリースレート)が減衰音です。バイオリンやオルガンなどは持続音、木琴やピアノなどは減衰音に設定しましょう。リリースレートを大きめにとるとエコーがかかります。 サスティーン 音色に余韻を持たせるかどうかを指定します。キャリアのリリースレートとセットで使うと効果的です。四分音符でもサスティーンがONになっているとキーオフ後も余韻が残るのでピアノや木琴などの音色にはONにしましょう。 キースケールレート(KR) 高い音になればなるほど音の立ち上がり(アタックレート)が早くなります。値を2にするとより強調されます。 キースケールレベル(KL) 0はOFF、1〜3の3段階でレベルを調整します。キャリアでは高い音になればなるほど音量が小さくなります。モジュレータではきつい音色からやわらかい音色に変わります。 トータルレベル(TL) 最大音量を1〜64で指定。キャリアでは値が大きければ大きいほど音量が大きくなります。モジュレータでは大きければ大きいほど音色の変調度が大きくなります(金属的な明るくきらびやかな音色になります)。 アタックレート(AR) 音の立ち上がりから最大音量になるまでの時間を0〜15で指定します。(上図)バイオリンのように次第に音が大きくなる音色はキャリアーのアタックレートを大きくしてやります。モジュレータの値を変えると小さい値では固い音色、大きい値では丸い音色になります。 ディケイレート(DR) 最大音量になった後サスティーンレベルに達するまでの時間を設定します。エンベロープで減衰音を選択している場合は、減衰開始までの時間です。キャリアでの設定値が大きいほどサスティーンレベルまでゆっくり音が小さくなり、モジュレータでの設定値が大きいほどゆるやかな音色変化になります。 サスティーンレベル(SL) 持続音の場合は持続音の音量、減衰音なら減衰開始の音量になります。設定値は1〜16で、これはトータルレベルの1〜64の値を16等分した値です。したがってSL=16はTL=64と同じです。この値の設定とDR,RR,TLで音の輪郭が決まるので音色を変えるにはまずここらへんの値を実際にいじってみるといいでしょう。 リリースレート(RR) 持続音ではキーオフから音が消えるまでの時間、減衰音なら減衰開始から音が消えるまでの時間です。4部音符の次に休符が来てもキャリアのリリースレートを高めに設定すると余韻が残ります。なめらかなストリングスではサスティーンを最大にしてリリースを大きめにとるといいでしょう。 ビブラート 音程に変調をかけます。強さの度合いは0(OFF)から4です。 AM変調 音量に変調をかけます。AMはAmplifer Modulationの略で振幅変調の意味。音の強さは振幅で決まりますからね。トレモロと同義。 アルゴリズム 1か2から選択する。詳しくはこちらを参照。 エフェクト周波数 音程および音量の強さの変化の揺れの周期を決めます。ビブラート、AM変調がONとセットで使います。 フィードバック オペレータ1で出力値を入力側にフィードバックし自分自身に変調をかけます。変調の度合いは0〜7です。 ※この資料はSMAF2のパラメタの説明です。
|